止血の基本:直接圧迫止血法
出血したときに最初に行うべきことは「直接圧迫止血法」です。特別な器具がなくても、清潔な布やガーゼを傷口に当てて強く押さえるだけ。最もシンプルで、かつ最も効果的な止血法です。
清潔なガーゼ、ハンカチ、タオルなどを傷口全体に当てます。手元にない場合は、できるだけ清潔なものを選んでください。
自分の手で直接触れる場合は、ビニール袋や手袋を使うと感染リスクを下げられます。
ガーゼや布の上から、手のひら全体で傷口を力強く押さえます。
力の目安は「痛くない程度」ではなく、しっかりと体重をかけるくらい。中途半端な圧迫では止血できません。
時計を見ながら最低5分〜10分、ひたすら押さえ続けます。「少し止まったかな」と思っても途中で外すと、まだできかけの血の塊(血餅)が剥がれてしまいます。
10分後にそっとガーゼを外し、出血が止まっているか確認します。止まっていれば、新しいガーゼや絆創膏で傷口を保護してください。
止まっていない場合は、もう一度圧迫を続けます(それでも止まらなければ受診を)。
直接圧迫止血・圧迫包帯止血の手順
部位・状況別の対処法
出血の場所や状況によって対処法が変わります。タブで切り替えて確認してください。
上記「基本の直接圧迫止血法」のSTEP 1〜3を行います。傷口を心臓より高く保つと止血しやすくなります。
出血が止まったら、傷口を流水で1〜2分ほど優しく洗い流します。
砂・土・異物が残っていると感染の原因になります。ゴシゴシこすらず、水の流れで洗い流すイメージで。
その後、絆創膏や滅菌ガーゼで傷口を覆って保護します。
体を少し前に傾けた姿勢で座ります(仰向けにしないこと)。
鼻のやわらかい部分(小鼻)を、親指と人差し指でしっかりつまみます。鼻の骨がある部分より下、軟骨の部分が対象です。
5〜10分後にそっと指を離して確認します。止まっていれば、しばらく安静にしてください。止まっていなければ、もう一度つまんで10分待ちます。
20〜30分たっても止まらない場合は受診が必要です。
応急手当を解説
ガラス・ナイフ・木片など異物が刺さっている場合、絶対に自分で抜かないでください。
異物が血管を塞いでいることがあり、抜いた瞬間に大出血する危険があります。異物を動かさないように固定して、すぐに救急受診してください。
異物がない場合(深く切れた傷など)は、清潔なガーゼで圧迫止血を行いながら、できるだけ早く救急外来を受診してください。
傷が大きく開いている・深い場合は、縫合が必要なことがほとんどです。
清潔なガーゼや布を傷口に当てて圧迫止血します。同時に、意識があるか・呼びかけに反応するかを確認してください。
意識がない・呼びかけに反応しない場合はすぐ119番を。
頭をぶつけた場合、外の傷よりも「内部の出血・脳への影響」が心配です。
止血できても、以下のような症状が出たらすぐに受診してください。
やってはいけないNG行動
焦りや思い込みから、かえって傷を悪化させてしまう行動があります。よく知っておきましょう。
病院へ行く判断基準
- 血が噴き出している・大量に出血して止まらない
- 意識がない・ぐったりしている
- 顔色が青白い・冷や汗が出ている(ショック症状)
- 20〜30分圧迫しても出血が止まらない
- 頭を強く打った後、嘔吐・意識低下・けいれんがある
- 傷口が開いていて、縫合が必要そうな深い切り傷
- 異物(ガラス・木・石)が刺さっている・取り出せない
- 動物(犬・猫など)に噛まれた傷
- 錆びた金属・汚れた物による傷(破傷風リスク)
- 顔・手・関節部分の深い傷(機能・見た目に影響する可能性)
- 傷口が赤く腫れてきた・膿が出てきた(感染の可能性)
- 鼻血が繰り返し出る・止まるのに時間がかかるようになった
- 頭を打った後に頭痛が続く・普段と様子が違う
よくある質問
出典・参考資料
- 日本救急医療財団・日本蘇生協議会「JRC蘇生ガイドライン2020」
- 総務省消防庁 – 救急業務のあり方に関する検討会資料
- 厚生労働省 – 家庭での応急処置ガイドライン
- 日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」– 外傷・出血の対応
- American Red Cross First Aid Manual – Bleeding Control(2021)