家族を守る AID NOTE 子育て家族のための応急処置ガイド
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応急手当

打撲・捻挫
正しい応急処置

公開日 2026-06-04 / 最終更新 2026-06-04

転んだ、ぶつけた、足をひねった——子どもに多いケガです。
合言葉は「RICE(ライス)」。安静・冷却・圧迫・挙上の4つが基本。
正しい冷やし方と「病院へ行くサイン」を知って、落ち着いて対応しましょう。

📅 2026年6月4日 ⏱ 約7分 👥 保護者・家族向け

まず確認すること・RICEとは

「変形・立てない・しびれ」があればすぐ119番
手足が明らかに曲がっている・変形している痛みで全く立てない・動かせない手足がしびれて動かない骨が見えている(開放骨折)ときは、重い骨折や脱臼の可能性があります。無理に動かさず、迷わず救急車を呼んでください。頭・首・背中・お腹を強く打った場合も、打撲とは別に注意が必要です(→第5章)。

打撲(だぼく)は体を物や人にぶつけて、皮膚の下の筋肉や血管が傷ついた状態。捻挫(ねんざ)は関節を支える靭帯(じんたい)などが、関節が動く範囲を超えてひねられて傷ついた状態です。どちらも痛み・腫れ・内出血が出ますが、多くは適切な応急処置と安静で回復します。大切なのは、けがの直後にすばやくRICE処置を始めることです。

合言葉は「RICE(ライス)」
けがの応急処置の4原則の頭文字です。受傷直後から始めると、内出血や腫れをおさえ、痛みをやわらげ、回復を早めて後遺症を減らせます。
Rest(安静)/Icing(冷却)/Compression(圧迫)/Elevation(挙上)
R
Rest
安静
動かさず休ませる。必要なら添え木やサポーターで固定
I
Icing
冷却
タオルで包んだ氷・保冷剤を15〜20分当てる
C
Compression
圧迫
包帯などで軽く圧迫。締めすぎないこと
E
Elevation
挙上
患部を心臓より高い位置に上げておく

応急処置の手順(RICE 4ステップ)

安全な場所に移ったら、次の4つを順番に行います。順番は安静 → 冷却 → 圧迫 → 挙上。あわてず一つずつ進めましょう。なお、すり傷など傷口がある場合は冷却・圧迫の前にまず流水で洗い、清潔に保ってください。

1
STEP 1 | Rest
安静にして動かさない

まず動きを止めて、けがをした部分を休ませます。痛む場所を無理に動かしたり、歩いたりすると損傷が広がります。足首・膝・手首などは、痛みが出ない角度でサポーターや包帯、添え木(雑誌や厚紙でも代用可)を当てて固定すると安心です。

「動かすと痛い」を無理しないのが鉄則。固定すると痛みも軽くなります
2
STEP 2 | Icing
冷やして腫れ・痛みをおさえる

氷や保冷剤をタオルで包んで患部に当てます。冷やすと血管が縮んで内出血や腫れがおさえられ、痛みもやわらぎます。目安は1回15〜20分。感覚が麻痺してきたら一度はずし、時間をあけてくり返します。

氷・保冷剤を肌に直接当てると凍傷の危険。必ずタオルなどで包んで
3
STEP 3 | Compression
包帯などで軽く圧迫する

弾性包帯やサポーターで患部を軽く圧迫すると、腫れや内出血の広がりをおさえられます。冷却と一緒に行うのが効果的です。

締めすぎは血のめぐりを止めてしまいます。指先が冷たい・青白い・しびれるときはゆるめて
4
STEP 4 | Elevation
心臓より高く上げておく

けがをした手足を、クッションや座布団にのせて心臓より高い位置に上げます。血液や組織液が患部にたまるのを防ぎ、腫れをおさえられます。横になって足を上げるだけでもOKです。

冷やしながら、寝かせて足を高く——この姿勢が腫れを最小限にします
冷やすのは「最初の2〜3日」。その後は温める
けがの直後〜数日は冷やすのが基本です。腫れや痛みが落ち着いてきたら、今度は回復を促すために温める(入浴など)に切り替えていきます。当日は湯船につからず、シャワーで済ませましょう。RICE処置をしても2〜3日たっても良くならない・悪化するときは、骨折や靭帯損傷がかくれていることがあるので整形外科を受診してください。

やってはいけないNG行動

よかれと思ってやったことが、かえって腫れや痛みを長引かせることがあります。事前に知っておきましょう。

NG 01
直後に温める・お風呂で温める
けがの直後に温めると血流が増え、内出血や腫れがひどくなります。当日は湯船につからずシャワーで。温めるのは腫れが落ち着いてからです。
NG 02
痛む場所をもむ・さする
「ほぐそう」とマッサージすると、傷ついた血管や組織を刺激して内出血が広がります。急性期はもまず、冷やして安静が正解です。
NG 03
痛みを我慢して動かす・歩く
「捻挫くらい大丈夫」と動き続けると損傷が広がり、治りも遅くなります。とくに体重をかけると強く痛むときは、骨折のサインのこともあります。
NG 04
氷を直接当てる・長時間冷やし続ける
氷や保冷剤を肌に直接、長時間当てると凍傷になります。必ずタオルで包み、1回15〜20分を目安に。感覚が麻痺したら一度はずしましょう。
NG 05
変形やしびれがあるのに様子を見る
明らかな変形・強い痛みで動かせない・しびれがあるのに「冷やせば治る」と待つのは危険。骨折・脱臼・神経の障害の可能性があるため、すぐ受診・119番を。

打撲・捻挫・骨折の見分け方

打撲・捻挫・骨折は見た目や初期の症状がよく似ていて、軽い骨折(ヒビ)は捻挫と区別がつきにくいものです。見た目で判断しきれないのが普通と考え、下のサインがあれば医療機関で確認しましょう。

種類 どんな状態? よくある症状
打撲 ぶつけて皮膚の下の筋肉・血管が傷ついた 当てた部分の痛み・腫れ・青あざ(内出血)
捻挫 関節をひねって靭帯などが傷ついた 関節の痛み・腫れ。動かすと痛い。元の形には戻る
骨折 骨にヒビが入る・折れた 強い痛み・腫れ。一点を押すと激痛。変形や体重をかけられないことも
「骨折かも」と考えるサイン
・手足が変形している、ふだんと向きが違う
・患部の一点を押すと強く痛む(ピンポイントの圧痛)
体重をかけられない・立てない・歩けない
・腫れ・痛みが時間とともに強くなっていく
・RICE処置をしても2〜3日で良くならない
一つでも当てはまれば、整形外科でレントゲンなどの検査を受けると安心です。

病院へ行く判断基準

今すぐ119番 命・後遺症に関わるサイン
  • 手足が明らかに変形している/骨が見えている(開放骨折)
  • 強い痛みで全く動かせない・立てない
  • 手足がしびれて動かない・感覚がない
  • 頭・首・背中を強く打って、意識がおかしい・けいれん・繰り返し吐く
  • お腹を強く打って、ぐったり・顔色が悪い・激しい腹痛
早めに受診 当日〜翌日に整形外科へ
  • 患部の一点を押すと強く痛む/体重をかけると痛む
  • 腫れや内出血がどんどん強くなる
  • RICE処置をしても2〜3日で良くならない
  • 突き指で指が曲がったまま伸びない・腫れが強い
自宅で経過観察 様子を見てよいケース
  • ぶつけた・ひねった部分が痛む・腫れるだけ(変形なし)
  • RICE処置で痛みや腫れが落ち着いてきた
  • 歩ける・関節を動かせる範囲がある
頭・お腹・背中を打ったときは「打撲」と別に考える
手足の打撲・捻挫と違い、頭・お腹・胸・背中を強く打ったときは、見た目が軽くても中で出血していることがあります。打った直後は元気でも、数時間〜半日は様子をよく見てください。意識がもうろう・けいれん・繰り返し吐く・顔色が悪い・ぐったりするなどがあれば、すぐ119番です。
迷ったら相談を
受診すべきか迷うときは、救急安心センター(#7119)や、お子さんならこども医療電話相談(#8000)に電話で相談できます(地域により対応時間が異なります)。救急車を呼ぶか迷ったときの目安は「救急車を呼ぶ判断基準」も参考にしてください。

子どもの打撲・捻挫で気をつけること

子どもは転んだりぶつけたりが日常茶飯事。多くは軽い打撲ですが、大人とは少し違う注意点があります。

「打撲・捻挫だと思ったら骨折だった」が起こりやすい
子どもの骨はやわらかく、大人ならただの捻挫で済む力でも、骨にヒビが入ることがあります。とくに成長期の骨は端のほうがもろく、外からは捻挫と見分けにくいことも。痛みが強い・腫れが引かない・その部分を使いたがらないときは、念のため整形外科で診てもらいましょう。
小さな子は「どこが痛い」を言えない
言葉でうまく伝えられない年齢の子は、その手足を動かさない・使わない・触ると激しく泣くといった様子がサインになります。腕をだらんとさせて動かさない、片足をかばって歩く・歩きたがらないときは、痛みのある場所を探して受診の判断を。痛がって暴れると処置しにくいので、まず抱きしめて落ち着かせてあげてください。
冷やすのを嫌がるときは無理せず
子どもは冷たさを嫌がることがあります。薄いタオルを一枚多めにはさむ、短時間にする、保冷剤を握らせて遊び感覚にするなど工夫を。冷やせないときも、安静にして患部を高く上げるだけでも腫れをおさえる助けになります。

よくある質問

Q
打撲や捻挫をしたら、まず何をすればいいですか?
まず動きを止めて安静にし、患部を冷やすのが基本です。けがの応急処置は「RICE処置」と呼ばれ、Rest(安静)・Icing(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つが柱です。受傷直後から冷やすことで、内出血や腫れ、痛みをやわらげ、回復を助けられます。タオルで包んだ保冷剤を15〜20分を目安に当て、患部は心臓より高く上げておきましょう。
Q
打撲・捻挫は冷やすのと温めるのと、どちらが正しいですか?
けがをした直後(受傷後2〜3日)は冷やすのが正解です。温めると血流が増えて内出血や腫れが強くなり、悪化します。当日は湯船につからずシャワーで済ませ、患部を冷やしてください。腫れや痛みが落ち着いてきた数日後からは、回復を促すために温める(入浴など)に切り替えていきます。
Q
氷や保冷剤は何分くらい当てればいいですか?
1回につき15〜20分が目安です。氷や保冷剤は必ずタオルで包み、肌に直接当てないでください(凍傷を防ぐため)。感覚が麻痺してきたら一度はずします。冷やしたあと時間をあけて、痛みや腫れが強い間は1日に数回くり返すと効果的です。長時間あて続けるのは逆効果になることがあります。
Q
打撲・捻挫と骨折はどう見分ければいいですか?
見た目だけで見分けるのは難しく、軽い骨折(ヒビ)は捻挫とよく似ています。目安として、明らかな変形がある、患部を触ると一点だけ強く痛む、体重をかけられない・立てない、腫れや痛みが時間とともに強くなる、といった場合は骨折の可能性があります。RICE処置をしても2〜3日で良くならないときも含め、整形外科でレントゲンなどの検査を受けると安心です。
Q
どんなときに救急車を呼ぶべきですか?
手足が明らかに変形している、骨が見えている(開放骨折)、強い痛みで全く動かせない・立てない、手足がしびれて動かない、といった場合は迷わず119番してください。また頭・首・背中・お腹を強く打って、意識がおかしい・けいれん・繰り返し吐く・呼吸が苦しいなどの症状があるときも救急車が必要です。判断に迷うときは救急安心センター(#7119)にも相談できます。
Q
突き指をしたら引っ張るといいと聞きましたが、本当ですか?
「突き指は引っ張る」は誤った民間療法です。引っ張ると骨折や腱の損傷を悪化させることがあります。突き指も捻挫・打撲の一種なので、冷やして安静にし、固定して様子を見ます。指が曲がったまま伸びない、強く腫れる、変形しているときは整形外科を受診してください。

出典・参考資料

免責事項:本記事は一般的な応急処置・緊急対応の情報提供を目的としており、医療行為や医師の診断の代替となるものではありません。症状の程度には個人差があり、見た目が軽くても骨折などが隠れていることがあります。実際の処置や受診の判断に際しては、必ず119番や医療機関にご相談ください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

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