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緊急対応

アナフィラキシー
症状と緊急対処法

公開日 2026-05-29 / 最終更新 2026-05-29

アナフィラキシーは、数分で命に関わる重篤なアレルギー反応です。
「じんましん+呼吸苦」「ぐったり」が出たら迷わず119番。
正しい判断と行動で、大切な家族を守りましょう。

📅 2026年5月29日 ⏱ 約6分 👥 保護者・家族向け

アナフィラキシーとは?症状チェックリスト

2つ以上の臓器に症状が出たら「アナフィラキシー」を疑って
皮膚・呼吸・意識・消化器など、複数の臓器に症状が同時に出るのがアナフィラキシーの特徴です。症状は数分〜数十分で急激に悪化します。「様子を見よう」は禁物です。

アナフィラキシーは、食べ物・ハチ毒・薬などをきっかけに起こる全身性の激しいアレルギー反応です。血圧が急激に低下し、呼吸困難やショック状態になることがあります。原因に触れてから5〜30分以内に症状が出ることがほとんどです。

皮膚・粘膜
じんましん・赤み・腫れ
全身のじんましん、顔・唇・目の腫れ、皮膚の赤みや熱感
呼吸器
息苦しさ・ゼーゼー
息苦しさ、ゼーゼーする喘鳴(ぜんめい)、声がかすれる・しゃがれる
循環器
顔面蒼白・ぐったり
顔が青白くなる、脈が弱くなる、意識がぼんやりする、ぐったりする
消化器
吐き気・嘔吐・腹痛
激しい吐き気・嘔吐、強い腹痛、下痢などが急に出る
よくある原因(トリガー)
食べ物:ピーナッツ、甲殻類(エビ・カニ)、牛乳、卵、小麦、そば
ハチ毒:スズメバチ・ミツバチなどに刺された場合(2回目以降が特に危険)
:抗菌薬(ペニシリン系など)、解熱鎮痛薬(NSAIDs)
ラテックス:ゴム手袋・ゴム風船などのラテックスアレルギー

今すぐやること:緊急対応の流れ

迷ったらすぐ119番!「様子を見る」は絶対にダメ
アナフィラキシーは急速に悪化します。「まだ大丈夫かも」と思っても、症状に気づいたらすぐ119番してください。エピペンがある場合は、119番と同時または直前に使います。
1
最優先
すぐに119番へ電話する

アナフィラキシーを疑う症状が出たら、最初にすることは119番です。「アナフィラキシーかもしれません。〇〇を食べた・刺された後から、じんましんと呼吸が苦しいです」と伝えてください。
電話しながら次のステップを進めましょう。

エピペンを持っている場合は、119番の前または同時に使ってください
2
STEP 2
エピペンがあれば使う

エピペン(自己注射用アドレナリン)を処方されている場合は、ためらわずに使ってください。詳しい使い方は次のセクションで解説しています。
エピペンを使っても症状が続く・再び悪化する場合は、もう1本あれば5〜15分後に再度使用します。

エピペンは使いすぎを心配しなくて大丈夫。「使うべきか迷ったとき」が使うタイミングです
3
STEP 3
横に寝かせて足を高くする(ショック体位)

意識があり、呼吸が苦しくない場合は、仰向けに寝かせて両足を15〜30cm高く上げてください。血圧が下がったときに、心臓と脳への血流を確保するための姿勢です。
呼吸が苦しそうな場合は、本人が楽な姿勢(座位など)を優先してください。

妊婦の場合:左側を下にして横向きに寝かせる(仰向けだと大血管が圧迫される)
4
STEP 4
意識と呼吸を確認し続ける

救急車が到着するまで、声をかけながら意識・呼吸・顔色を継続して確認してください。
呼吸が止まった・意識がなくなった場合は、すぐに心肺蘇生(CPR)を始めてください。

CPRの方法は「心肺蘇生(CPR)の正しいやり方」ページで確認できます
学校におけるアレルギー疾患対応資料(文部科学省) サムネイル
文部科学省 公式
学校におけるアレルギー疾患対応資料
エピペンの使い方・緊急時の対応
文部科学省/mextchannel(YouTube)

エピペンの正しい使い方

エピペンは、アナフィラキシーの際に自分(または周囲の人)がアドレナリンを注射するための自己注射器です。医師から処方された方は、使い方を事前に確認しておきましょう。

エピペンを使っても、必ず119番・病院受診が必要です
エピペンの効果は一時的(約15〜20分)です。症状が落ち着いても、必ず救急受診してください。二相性反応(数時間後に再発)のリスクがあります。
エピペン注射の手順(0.3mg・子ども用0.15mg共通)
1
青いキャップを外す
エピペンを取り出し、青いキャップ(安全キャップ)を引き抜きます。キャップを外すと注射できる状態になります。
2
太ももの外側に当てる(衣服の上からでもOK)
オレンジ色の先端を、太ももの外側(前外側)にしっかり当てます。ズボン・スカートの上からでも注射できます。腕・おしり・内ももには使わないでください。
3
「カチッ」と音がするまで強く押し込む
先端を太ももに押し当て、「カチッ」と音がするまで強く押します。クリック音で針が出て薬液が注入されます。
4
そのまま15秒間保持する
押し込んだまま太ももに当て続け、心の中で「1・2・3…15」と数えます。15秒後にゆっくり外します。
5
注射部位を10秒ほどもむ
エピペンを外した後、注射した部位を10秒ほど軽くもんでください。薬液の吸収を助けます。使用済みのエピペンは救急隊員に渡してください。
子どものエピペン(0.15mg)について
体重15〜30kg未満の子どもには0.15mgのエピペンが処方されます。使い方は大人用(0.3mg)と同じです。15kg未満の場合は医師の指示に従ってください。学校・保育園に預けている場合は、エピペンを園・学校にも預けておきましょう。

エピペンがない場合の対応

エピペンを持っていない場合でも、できることがあります。大前提はすぐに119番することです。

1
最優先
119番に電話し、指示を仰ぐ

「アナフィラキシーが疑われます。エピペンはありません」と伝えてください。救急指令員から到着までの適切な指示を受けられます。電話は切らずにつないでおきましょう。

2
STEP 2
原因から離れる・アレルゲンを取り除く

ハチに刺されたなら、その場から離れてください。食べている場合はすぐに口から出させます。ただし、呼吸路を確保することが最優先なので、無理に動かさないでください。

3
STEP 3
ショック体位で安静に

仰向けに寝かせ、両足を心臓より高くします(15〜30cm程度)。呼吸が苦しい場合は、本人が楽と感じる姿勢を優先してください。

市販の抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)はアナフィラキシーには効果が不十分です。使っても救急車を待ちましょう

やってはいけないNG行動

焦りや誤解から、症状を悪化させてしまう行動があります。事前に知っておきましょう。

NG 01
立たせる・座らせる(ショック時)
血圧が下がったショック状態で立たせると、血液が一気に足に集まり心停止を引き起こすことがあります。必ず横に寝かせ、足を高くして救急車を待ちましょう。「本人が立ちたがる」場合も、寝かせることを優先してください。
NG 02
「しばらく様子を見る」
アナフィラキシーは数分で急変します。「まだじんましんだけだから大丈夫」と思っていても、数分後には呼吸困難や意識消失に至ることがあります。複数の臓器に症状が出た時点ですぐ119番してください。
NG 03
市販の抗ヒスタミン薬で対処しようとする
市販のアレルギー薬(抗ヒスタミン薬)は、じんましんなどの軽い症状には有効ですが、アナフィラキシーのような全身性のショック反応には効果が不十分です。飲ませている間に症状が悪化することがあります。
NG 04
エピペンを使うのを迷い続ける
「本当にアナフィラキシーかわからない」「使って大丈夫かな」と迷ううちに症状が悪化するケースがあります。エピペンは処方されている場合、「使うか迷ったら使う」が原則です。使いすぎによる副作用より、使わないことのリスクのほうが大きいです。
NG 05
症状が落ち着いたからと病院に行かない
エピペンや安静で症状が一時的に落ち着いても、数時間後(4〜8時間後が多い)に「二相性反応」として再び症状が出ることがあります。必ずその日のうちに救急受診し、経過観察を受けてください。

病院へ行く判断基準

今すぐ119番 こんな症状はすぐ救急車を
  • 呼吸が苦しい・ゼーゼーしている・声がかすれる
  • ぐったりしている・意識がもうろうとしている
  • 顔面が青白い・唇が紫色(チアノーゼ)
  • 全身のじんましん+呼吸苦・嘔吐などが同時に出ている
  • エピペンを使ったが症状が続いている・悪化している
今日中に受診 症状が軽くても受診が必要なケース
  • エピペンを使って症状は落ち着いたが、その後の経過観察のため
  • じんましん+1つ以上の臓器症状(嘔吐・腹痛など)が出た
  • 過去にアナフィラキシーを起こしたことがある人で、同じ原因に触れた
  • ハチに2回目以降刺された(アナフィラキシーリスクが高い)
翌日以降でも可 かかりつけ医に相談すること
  • じんましんのみで、呼吸・意識・循環器に症状がない場合
  • 今後のアレルギー検査・エピペン処方の相談をしたい
  • 食物アレルギーの管理・除去食の指導を受けたい
アナフィラキシーを起こしたことがある方へ:予防のための準備
過去にアナフィラキシーを経験した方は、アレルギー専門医でエピペンを処方してもらいましょう。また、アレルゲン(原因物質)を特定して日常的に回避することが再発予防の基本です。学校・職場・外出先にもエピペンを常時携帯してください。

よくある質問

Q
アナフィラキシーはどんな症状が出ますか?
皮膚(じんましん・全身の赤み・唇や目の腫れ)、呼吸器(ゼーゼー・息苦しさ・声がかすれる)、消化器(吐き気・嘔吐・腹痛)、循環器(顔面蒼白・意識が遠のく・ぐったり)などが急速に現れます。2つ以上の臓器に症状が出たらアナフィラキシーを疑ってください。
Q
エピペンをいつ使えばいいですか?
アナフィラキシーの症状(じんましんに加えて呼吸苦・ぐったり・嘔吐など2臓器以上の症状)が出たら、迷わずエピペンを使ってください。「使うべきか悩んだとき」は使うタイミングです。エピペンを使ってから119番に電話するか、同時に行うのが理想です。
Q
エピペンの使い方を教えてください。
①青いキャップを外す → ②太ももの外側(衣服の上からでも可)にオレンジ色の先端を押し当てる → ③「カチッ」と音がするまで強く押し込み、そのまま15秒保持する → ④注射後は患部を10秒ほどもむ。注射後も119番に連絡し、必ず病院を受診してください。
Q
エピペンがない場合はどうすればいいですか?
すぐに119番に電話してください。エピペンがない場合でも、①横に寝かせて足を高くする(ショック体位)②楽な呼吸ができる姿勢を保つ③意識と呼吸を確認し続ける、を行いながら救急車を待ちます。市販のアレルギー薬はアナフィラキシーには効果が不十分です。
Q
症状が一度治まっても病院に行くべきですか?
必ず病院に行ってください。アナフィラキシーは「二相性反応」といって、一度治まった後に数時間後(4〜8時間後が多い)に再び症状が出ることがあります。症状が落ち着いていても、当日中に救急受診してください。
Q
子どもにエピペンを自分で使わせても大丈夫ですか?
体重15kg以上の子どもには0.15mgのエピペンが処方されます。本人が自分で使うことも想定された設計になっています。ただし、具合が悪いときに一人で使うのは難しい場合もあるため、保護者・学校・保育園のスタッフが使い方を事前に練習しておくことが大切です。

出典・参考資料

免責事項:本記事は一般的な応急処置・緊急対応の情報提供を目的としており、医療行為の代替となるものではありません。エピペンは医師から処方を受けた方が使用してください。実際の処置に際しては必ず119番や医療機関にご相談ください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いかねます。

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